飯坂温泉
福島市へ若冲展を観に行きました。
https://discovery.kuruxkuma.com/2019-04-01-200000/
その後、本来はレンタカーで会津さざえ堂に行く計画を立てていましたが、天気が悪かったので急遽予定変更して温泉地に向かうことにしました。
飯坂線美術館前駅からさらに下ります。
だって飯坂線のいい電の内装ってこんなです。
温泉に行けと言ってるようなものです。地元の方の勧めに素直な心で従います。
かくして、飯坂温泉です。
県庁所在地から電車で20分で温泉処って素敵。福島県民は恵まれてます。
私が行くところに大体いるおじさん。
趣味が合うみたいなので、前々から良いお友達になれそうな気がしています。
笈も太刀も五月に飾れ紙幟
松尾芭蕉『奥の細道』
飯坂温泉駅のひとつ前に医王寺前駅というのがありました、そちらに弁慶の笈、義経の太刀があるのだとか。
飯坂温泉はラジウム発見の地。築地の波除神社にある玉子塚を思い出して、温泉卵の碑かと思いました。
この辺の名物にラジウム卵ってのがあるそうです。温泉卵です。別にラジウムが配合されているわけではありません。科学畑の人間からしてみるとなんでそんな物騒な名前つけたんだと思いますが、珍奇な外来語をありがたがる文化は島国日本の伝統みたいなものですからね。
飯坂温泉街のランドマークである十綱橋です。
大正期の鋼アーチ橋として最も古いものだそうで、アーチ部分がトラス構造になった、ブレーストリブアーチと呼ばれるものです。
名前の由来は、平安時代藤弦で編んだ吊橋があったことによるとか。
みちのくの とつなの橋に くる綱の 絶やすも人に いひわたるかな
藤原親隆『千載集』
駅前の交差点にあった観光案内所で飯坂温泉界隈の地図を貰って散策開始。なお、観光案内所の方は、鯖湖湯の建物を観て、入浴は波来湯を盛んにおすすめしていました。きっと熱湯のクレームが絶えないのでしょう。古くからの温泉地にありがち。
飯坂温泉で最も古くからある鯖湖湯(さばこゆ)です。
元は道後温泉本館を超える日本最古の木造建築共同浴場だったのですが、平成5年に改築されました。知らなかった。26年早く来るべきでした。
あかずして別れる人の住む里は左波子のみゆる山のかなたか
西行
巨大な樽の湯枡があります。その手前が元湯。
パンプレットに熱いと書いてありましたが、別府に慣れた体なら平気でしょう。入浴料は200円。暖簾をくぐったらすぐ脱衣所で、建物内の写真はありません。古式だけど鍵付きのロッカーがあるので金銭持ち歩く旅行者も大丈夫。浴室の隅に上がり湯、御影石の浴槽が中央にひとつ。建物だけじゃなく浴室も新しいものでした。せめて浴槽は残せばよかったのに。地元の方が浴槽から直接洗面器でお湯をがんがん汲み取って使っています。お作法は別府と変わらない雰囲気でした。「こんにちは」とひと声かけてお湯を使わせていただきます。湯温は私が躊躇なく入れるくらいなので44度。湯船に浸かったり出て休んだりしならが過ごします。浴室は雪国のキンキンに冷えた空気が入ってきてヒートショックの条件は揃っています。血圧の高い方には酷ですが、これがサウナみたいで気持ちがいいんです。ぬる湯で一時間二時間浸かっているのも好きだけど、熱湯には熱湯の気持ちよさがあるんですよね。
鯖湖湯のすぐ隣に木造3階建ての雰囲気のよい旅館がありました。次の機会があれば、こちらを利用してみたい。
horieya.com
旧堀切邸にも行きました。堀切家は江戸時代からの豪商で、近代日本の政治史に名を残す、堀切善兵衛(衆議院議長、駐イタリア大使)、堀切善次郎(東京市長、内務大臣)、堀切久五郎(衆議院議員)を輩出しました。
母屋の納戸の襖に扇画や歌仙画が貼り絵されていました。
どの辺が納戸かと思ったのですが、襖の下に引き出しがありました。
次の間は折り上げ天井です。この隣の奥座敷はさらに天井が高く、品位のある作りになっていました。
十間蔵は1775(安永4)年に建立された米蔵です。
半分が板間、残りは土間の変わった作りでした。
時間調整に甘いのを買いに豊嶋屋へ。温泉効果で小腹が空いたので、うそどらを頂きます。
中はずんだ餡にホイップクリームで焼印の焦味が香ばしい。思いの外おいしくて、さらにお土産に買い足しました。今回の福島旅行で一番おいしかった。
続いて、観光案内所の方にお勧めいただいた波来湯へ。太鼓櫓のある新しい建物です。
入り口が一階、受付とお風呂は地下です。観光客で大変混雑しています。入浴料は300円。受付の前に休憩スペースがありますので、待ち合わせにも便利です。
脱衣所には使用後にお金が戻ってくる100円ロッカーがあって安心。浴場はぬる湯と熱湯の二槽でシャワー付きと、観光客にも配慮された施設です。二槽といっても別府では熱湯と激熱湯だったりするわけですが、こちらはそういうこともなく、ぬる湯は適温の42度、熱湯はすこぶる熱く45度でした。45度ともなるとかけ湯を十分にしてウォーミングアップが必要です。浴室は混んでいましたが、熱湯は他に誰も入ってこないので私だけゆうゆうと満喫できました。しかし、換気扇だよりの浴室なので暑くてなかなか体が冷えてくれないのが困りますね。ぬる湯に浸かる人にはこの程度じゃないと寒いんでしょうが。
夕飯は福島名物の円盤餃子を食べに行きます。1953年創業の照井です。
円盤餃子です。揚げてあるので、皮がバリバリです。
私の中でのイメージとしては、亀戸餃子をホワイト餃子みたいに焼いたものって感じ。22個一人で食べられなくもないぐらいの量。
味玉ラーメンも頂きました。
油たっぷりのさっぱり系。胡椒をかけて食べました。
飯坂温泉から福島駅に戻ってきました。すっかり雪が積もっていました。
東京は桜が満開だというのに、この辺りとは二ヶ月くらい季節が違いますね。
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